保育実習理論――音楽編3-2~長短や完全の理解②

保育士試験

おさらい

 保育士試験の保育実習理論の音楽問題では、このような問題が出題されます。

 園児が歌いづらそうにしているため、短3度下の調に移調することにした、その時の矢印の音は鍵盤のどこを弾けばよいか

 前回の記事を見ていれば、すでに答えられる問題ですね。ただ、前回は3度と4度のみの話でしたから、今回はそれ以外の度数の音を復習もかねて見ていきたいと思います。こちらの記事を見る前に前回までのものを見るほうが理解が深まりますよ。ぜひご覧下さい。

5度

 5度は、完全5度を基本に覚えましょう。ドを基準にして完全5度の楽譜をみてみましょう。

 ドを1とすると、ソは5ですね(ド=1、レ=2、ミ=3、ファ=4、ソ=5)。5度ということがわかりました。それでは、完全5度の中に音はいくつふくまれているでしょうか。次は鍵盤を見ていきましょう。

 ドを1とすると、ソまで8個の音があります。楽譜上で5度、鍵盤上で8個の音があるものを完全5度と呼びます。筆者は完全5度といわれると、このドとソの鍵盤が頭の中に浮かびます。みなさんも、完全5度と言われたらこの画像が頭に思い浮かぶと、とてもやりやすくなりますよ。
 次は、距離を半音分伸ばしてみましょう。半音伸びた場合、どういった5度になるのでしょうか。前回の復習ですね。長短、完全、増減の図を確認しましょう。

 完全系の度数の音の距離が半音分のびると、増音程になるのでしたね。よって、

 ドとソのシャープは増5度ということになります。確認です。さきほど完全5度は、鍵盤でみると中に8個の音が含まれていました。それでは増5度ですと何個の音になるでしょうか。

 一つずつ数えましょう。ドを1とした場合、ソ#まで9個の音がありますね。5度のとき、鍵盤上で音が9個あった場合、増5度です。これと同じように、音を半音狭めた場合は、

 減5度というわけですね。鍵盤だけみると、増4度と一緒です。楽譜と鍵盤をみて答えられるようにしましょうね。

 それでは、ここで練習問題を解いてみましょう。

 楽譜をみて答えなさい。

 この音の完全5度上の音を答えよ。

 さあ、みなさま答えられるでしょうか。

 

 それでは答えです。示された音はですね。まずは度数を数えましょう。5度上ということですから、ソ、ラ、シ、ド、レですね。5度上の音がということがわかりました。次に、鍵盤の音の数を数えましょう。このとき、完全5度音程は、ドを基準にしたときはソだということを先に思い出さなければいけません。

 完全5度の場合、ドからソまでは8個の音があるんでしたね。さて、ソからレまではどうでしょうか?

 ソからレまでは、ソを1としたとき、レは8ですね。ということは、ソの完全5度上の音は、ということがわかります。この問題の答えはレですね。楽譜上ではこうです。

 それでは、もう一つ問題です。

 楽譜をみて答えなさい。

 この音の完全5度上の音を答えなさい。

 さて、この問題は先ほどのものよりは難しいですね。

 まずは、度数を数えましょう。この音はシですから、シ、ド、レ、ミ、ファですね。5度上の音はファということがわかりました。続きまして、鍵盤を見ていきましょう。完全5度は鍵盤上で何個の音が必要でしたか? 忘れてしまっても、ドを基準としたときソが完全5度と覚えていれば数えれば答えを導き出せます。

 ドからソまでは、8個の音がありますね。では、シからレまではどうでしょうか?

 シを1とした場合、ファは7ですね。おや? 7ということは、完全5度になっていませんね。8個から半音分短い距離ですから、これでは減5度音程です。したがって、半音距離をのばせば完全5度になるというわけですね。ですから、ファの音を半音あげて、

 ファのシャープがシの完全5度上の音という答えが導き出せました。この問題を解くことができれば、冒頭のような問題には答えることができるはずです。冒頭の問題の答えは、度数を全部見たあとに考えることとしましょう。次は6度を見ていきます。

6度

 6度は、長短の音程でしたね。6度の基本は長6度を覚えてしまいましょう。ドを基準としたとき、6度はどの音でしょうか? いままでのことが理解できていればとても簡単ですね。

 ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラですので、ドの6度上はラですね。鍵盤をみましょう。

 ドを1としたとき、ラは10ですね。6度のときに、鍵盤上音が10個あるとき、長6度と呼ばれます。長6度といわれたときに、ドとラの関係ということと、この鍵盤が頭の中に思い浮かべば大丈夫です。半音のばすとどうなるでしょうか? 長短、完全、増減の図を思い出しましょう。

 長音程を半音のばすと、増音程になりますね。つまり長6度の半音距離をのばしたものは増6度ですね。

 もちろん鍵盤の中の音も半音分のびますから、長6度が10個でしたから、11個になっているはずですね。確認してみましょう。

 ドを1としたとき、ラ#は11ですね。予想した通りになっていますね。では、長6度の距離を半音短くしてみましょう。長音程の距離を半音短くすると、短音程になりますね。先ほどの長短、完全増減の図を確認してみてくださいね。

 鍵盤と楽譜をみましょう。

 鍵盤では、ドを1としたとき音の数が9個ですね。楽譜上でもしっかりと6度の音程(ドレミファソラ)です。画像ではしめしませんが、ここからまた半音短くすると、減音程になります。先ほどの図の通りです。

まとめ

 今回は、5度と6度についてみていきました。前回の3度と4度の復習のような感じでしたね。すでに保育士試験の問題を解けるようになっている方もいるかもしれませんね。5度音程のところで練習問題も盛り込みました。ちゃんと解くことができたでしょうか? ゆっくりと考えればきっと理解できるはずです。前回の記事もみながら復習してみてくださいね。
 
 覚えているべきこと
 ・完全5度といわれたら、ドーソ

・長6度といわれたら、ドーラ

 これさえ覚えておけば、数えるだけで完全5度と長6度、その他関係する5度と6度の音程は答えることができます。ぜひぜひ覚えるようにしてくださいね。鍵盤も頭の中に思い浮かべられるように。できれば何度も紙に書いてみるといいですよ。それでは、次回は他の度数についてみていきましょう。また復習のような感じになりそうですね。

楽典の本が1冊でもあると安心ですよ。筆者も高校生の頃にこの本で勉強した記憶があります。

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