保育実習理論ーー造形編~~色の問題①

保育士試験

設問として

 実際の過去問を解いてみましょう。平成27年度の筆記試験、保育実習理論からの出題です。問題に取り組む前に色について解説した記事がありますので、こちらをご覧いただくと理解が深まると思います。

 H保育所では運動会の応援旗として、2色に塗り分けた旗を作ることにしました。次の色の組み合わせとそのイメージ・印象の説明文として、( A )~( E )に当てはまるごくの最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

色の組み合わせ組み合わせのイメージ・印象
オレンジ色と紫( A )に近い関係で、強く元気なイメージ。( B )も高く、
はきはきしたエネルギーのあるイメージ。
青と黄色( C )の青は冷静さをイメージさせ、補色系の黄色と合わせる
と明ると意思を感じさせる。落ち着いてさわやかな印象。
黄緑と水色黄緑は( D )を連想させ、水色は空や水の連想から、自然のよ
ろこびをイメージさせる。
ピンクとレモン色ピンクとレモン色は白を含んだ( E )で、明るく優しいイメー
ジ。組み合わせると柔らかで楽しい印象。

(組み合わせ)

ABCDE
補色明視度寒色動物純色
同系色透明度暖色動物純色
同系色明視度暖色植物純色
補色透明度暖色植物明清色
補色明視度寒色植物明清色

解説

 それでは解説をしていきます。

 まずAですね。Aの選択肢で補色同系色という言葉がありますね。これは前回の記事でご紹介した12色相環をみるとわかりやすいです。そちらの記事で12色相環の図をみてみてくださいね。すると、オレンジ色と紫は反対に近い位置にあります。よって、補色の関係に近いということができそうですね。ちなみに同系色とは12色相環では隣り合う色のことでしょう。この時点で選択肢2,3は除外することができますね。

 つぎにBをみましょう。明視度という言葉はあまり聞き馴染みがない言葉のような気がしますね。調べてみたところ、「明視性(めいしせい)とは、図形が伝える意味の理解のしやすさのこと」つまり、明視度が高いということは、図形が伝える意味の理解のしやすさが高いということだと言えるでしょう。色のコントラスト、つまり明暗の差や色彩の差がある色同士だと、明視度が高まるそうです。補色の関係など、差がある色のため、Bに関しては明視度が正解だと思われます。透明度に関しては、どれだけ透明かということですので、想像しやすいですね。透明ではきはきというイメージはあまりわかないですから、感覚でも解けてしまいそうな設問ですね。この時点で1か5まで選択肢は絞られました。

 つぎにCをみてみましょう。青は寒色ですので、すぐに答えが導き出せますね。選択肢の関係上1か5に絞られたままですね。

 つぎはDを見てみます。黄緑は植物の葉の色ですから、動物というよりは植物をイメージできますね。よって5が正解とわかります。

 さいごにEをみましょう。純色とはその色らしさが一番強い時の色です。前回の記事にも解説がありますが、すこしわかりにくいところですので、しっかり復習しましょう。よりピンクらしかったりレモン色らしかったりするならばこの選択肢は正しいような気もしますが、白を混ぜるといった言葉から、純色だということを言っている文章ではないように思われます。
 それでは明清色とはなんでしょうか。明清色とは純色に白を混ぜた色のことです。もう言葉の問題のように思います。明清色という言葉を知っていればすぐに解けます。知らなくても、純色がどんなものかの理解があれば問題なく解けるでしょう。

 正解は選択肢5と導くことができました。

まとめ

 今回は実際に出題された問題の解説をしました。覚えてしまえば解くことはそんなに難しくないと思います。なんども問題を解いて、用語を覚えるようにしましょう。普段から、この色の補色はなんだっけ? と、目に付いた色について考えてみたり、標識や看板、広告などの色についても注意深く観察すると記憶にも残りやすいのではないかと思います。みなさん頑張りましょう。

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