鍵盤を答える問題
それでは実践問題を解いてみましょう。音楽編3に登場した楽譜を見て実際の問題を解くように練習してみましょう。
園児が歌いにくそうにしていたため、短3度下の調へ移調して弾くことにした。そのとき矢印の音は鍵盤のどこを弾けばよいでしょうか?
まずはいままでの知識を使って自力で解いてみましょう。ゆっくりでいいので解いてみてください。
いかがでしょうか? みなさま答えられたでしょうか? 筆者が実際に問題を解くときの思考のプロセスをまとめていきたいと思います。
筆者はまず「短3度は鍵盤上何個の音だっけ?」と考えます。そして思い出すのは、ドを基準にした時の3度についてです。基本を長3度と覚えていますので。頭の中にド―ミの鍵盤が思い浮かびます。
そして、これは長3度ですから、短3度にするため、距離を半音縮めます。
短3度の音程ができました。そして、ドからの距離を数えます。ドを1とすると、ミのフラットは4です。鍵盤上4つ動かせば短3度下の調に移調できそうですね。
一番左の矢印の音符はミですね。鍵盤をみましょう。
このミを1として、4つ左に動かせば短3度下の音です。
うまく動かすことができたでしょうか? 答えは⑦とわかりましたね。同じように残り二つの音符もみていきましょう。
2番目の音符はラですね。4つ動かせばいいのはさきほどやりましたのでわかりますね。それでは鍵盤をみましょう。
ラを1として4つ動かした鍵盤がわかりましたね。答えは⑫です。それでは残りの一つですね。
ソを1として4つ動かすと、答えは⑩ということがわかりました。
解き方がわかると、とても簡単に解けると思います。
実際の保育士試験の過去問をみてみると(過去5年分ほど)、完全4度上や下、完全5度上、長2度上や下、具体的な調の指定(コードを答える問題)、これらのパターンが出題されていました。
練習になりますので、同じ楽譜で完全4度上と下、完全5度上、長2度上と下、それぞれに移調した場合の解答例も載せておきます。練習問題だと思って解いてみてくださいね。
完全4度上
完全4度上ということで、まずドを基準とした時の鍵盤を思い浮かべます。ド―ファの関係ですね。
ドを1とすると、ファは6です。6個動かせば完全4度移調したことになりそうですね。
楽譜の左はミですね。ミから右に6個鍵盤を動かします。
答えは⑮です。
続いて真ん中の音符はラです。これを6個右に動かします。
答えは⑳です。
続いて右の音符はソです。6個動かします。
答えは、⑱です。
完全4度下
完全4度が鍵盤6個を思い出す作業は上記で行っているので省略します。
左の音符のミからですね。6個左にうごかします。
答えは、⑤です。次は、真ん中の音符のラです。
答えは、⑩です。最後に右の音符のソです。
答えは、⑧です。
完全5度上
完全5度ですので、ドーソの鍵盤を思い浮かべます。
ドを1としたときソは8です。よって8個動かせばいいことがわかります。
楽譜の矢印左はミでしたね。鍵盤で8個動かしてみましょう。
ミを1として8個動かすと、答えが⑰ということがわかりました。続いて真ん中はラですね。8個動かしてみましょう。
おっと、問題文で出した鍵盤が足りなくなってしまいました、申し訳ありません。しいて言うなら、㉒が答えとなりますね。続きまして楽譜の右の矢印はソですね。8個動かしましょう。
ソを1とすると、8個動かしたら⑳が答えだとわかります。
長2度下
長2度下ですから、まずは基本のドから長2度関係の鍵盤を思い浮かべましょう。ドーレの関係です。
ドを1とすると、レは3ですね。3つ動かせば良いことがわかります。問題文左の矢印はミです。3つ動かしてみましょう。
ミを1として、3つ動かすと、⑧という答えを導き出せました。続いて真ん中の矢印ラです。
ラから左に3つ動かします。答えが⑬とわかりました。続いて右の矢印ソです。
ソを1として、左に3つ動かします。答えが⑪とわかりました。
長2度上
それでは長2度上もみていきましょう。長2度は3つ動かせばいいのは先ほど確認しましたので省略いたします。楽譜の左の矢印はミです。3つ右に動かしましょう。
ミを1として、右に3つです。答えは⑫とわかります。続いて真ん中の矢印のラです。
ラを1として3つ右に動かします。答えは⑰です。最後に右の矢印ソです。
ソを1として、3つ動かします。答えは⑮です。
鍵盤を答える問題まとめ
今回は、一つ一つ丁寧に解説をいれました。おそらくご理解いただけたと思います。今回の実践問題を間違えずに解くことができたのなら、鍵盤を答える保育実習理論の問4の問題はクリア出来ると思います。おつかれさまです。
しかし、近年鍵盤を答える問題以外の出題のされ方をされていることがあります。それは、コードネームで答えさせる問題です。コードネームとはCDEFGABで答える問題のことです。もっと細かく言えばC♯やE♭などのコード、またC7やDmなどの表記もでてくるかもしれません。このコードを答える問題については、調性の理解とコードの理解がある方がやりやすいため、また後日解説していきたいと思います。しかし、今回の鍵盤を答える問題と同じやり方でも解ける問題もあるため、よく復習して知識を定着させることをお勧めいたします。
楽典の本が一冊でもあると安心ですよ。筆者も高校生の頃にこの本で勉強していた記憶があります。
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