保育実習理論――音楽編5~コードの理解③M7(メジャーセブンス)とm7(マイナーセブンス)

保育士試験

前回までのおさらい

 前回は、マイナーコードとセブンスコードについて見ていきました。今回の内容はその内容を前提にしたものですので、前回の記事をご覧になっていない方は、そちらからご覧頂くことをオススメいたします。

 今回の内容も前回までと同様、1、5、8が基本となりますので、前回までの内容が理解できていれば問題なくクリアすることができるでしょう。

M7(メジャーセブンス)

 それでは、メジャーセブンスコードについてみていきましょう。前回学習したセブンスコードと名前は似ているのですが、構成音は案の定ちがいます。セブンスコードでは、構成音が 1、5、8、11でしたね。M7コードでは、この11の部分が12になります。したがって、1、5、8、12となります。音楽的な言葉で表すならば長7度の音が和音に組み込まれるということです。ちなみに、保育士試験ではM7と表記されることがあれば、maj 7と表記されることもあります。表記は違いますが同じメジャーセブンスコードですので間違えないように注意しましょう。(他にもC△7といった表記もあります。これも同じものです)

 一応、CM7コードの構成音を鍵盤で確認しておきましょう。きちんとドを1としたときに1、5、8、12になっているかみてみましょう。

 鍵盤を数えられたでしょうか? きちんと1、5、8、12となっていますね。

 今回も、もうひとつのm7コードを見てから練習問題に取り組んで行きたいと思います。

m7(マイナーセブンス)

 つづきまして、マイナーセブンスコード(m7)についてみていきましょう。マイナーという言葉からもわかるように、マイナーコードが基本となります。とはいえ、このブログ内では、メジャーコードである1、5、8が基本としてきていますので、マイナーときいて、この5の部分が4にかわるという認識ができていれば問題ありません。
 上記の説明のとおり、マイナーコードですので、1、4、8を基本とします。そして、セブンスがついていますから、11の音を足します。メジャーセブンスと違って、12ではないので注意してくださいね。したがいまして、構成音としては、1、4、8、11です。

 こちらもCm7コードの構成音を鍵盤で確認しておきましょう。

 きちんと、1、4、8、11となっているでしょうか? 大丈夫ですね。ひとつずつ数えて確認しながら覚えていってくださいね。

 ちなみにですが、マイナーメジャーセブンスコードというものも存在しているそうです。これは構成音が1、4、8、12です。ただ保育士試験でそこまでの問題が出題されたことはおそらくありませんので、今回は、存在しているというだけの紹介にとどめたいと思います。記号としては、様々な表記方法があり、mM7  mMaj7 m△7 などがあるそうです。

練習問題

 メジャーセブンスコードとマイナーセブンスコードについて学びましたので、練習問題を解いてから、今回の学習のまとめをしていきたいと思います。

 次のコードネームに当てはまる鍵盤の位置の組み合わせとして正しい組み合わせを選びなさい

 組み合わせ

FM7C#m7G♭M7Am7

 まずは自力で解いてみてくださいね。ひとつひとつ違うものを排除、もしくは正解を見極めれば答えにたどり着けると思います。

FM7

 では、FM7から解説していきます。まずは、鍵盤を思い浮かべて構成音の確認ですね。

 F=ファを1としたときの、1、5、8、12がFM7コードでしたね。ファから数えてしっかりとそのようになっていることを確認します。具体的な音としては、ファ、ラ、ド、ミですね。
 そして、保育士試験では、コードの構成音の選択肢としては、3音しか提示されません。前回のセブンスコード同様、省略された和音が問題文で示されます。過去問を分析しますと、基本的に1、5、12となり、8の音は省略されることが多いです。そのことを踏まえて選択肢を確認していきましょう。

 まずは選択肢アです。③⑩⑪ですので、音としては、ラ、ミ、ファです。これは、構成音としては問題がありません。そして、根音であるファも入っていますし、12の音であるミも含まれています。したがって、この選択肢が正解ということになります。
 選択肢イは、⑩⑮⑱です。音としては、ミ、ラ、ドです。これは構成音としては問題ありませんが、根音であるファがありません。つまり、別のコードと捉えるのが妥当です。構成音的にはAmコードでしょうか。もしかしたら何かのコードの省略形かもしれませんが、今回の問題での正解ではないことがわかれば十分でしょう。
 選択肢ウは、③⑨⑪です。ラ、レ#、ミです。これは構成音からして違いますので除外ですね。

C#m7

 それでは次にC#m7についてみていきましょう。こちらもまずは鍵盤を思い浮かべるところからですね。構成音の確認をしましょう。

 C#ですから、ド#からはじまる1、4、8、11のコードですね。構成音はしっかりとみつけられたでしょうか? 構成音は、ド#、ミ、ソ#、シです。

 では選択肢アをみていきましょう。⑦⑪⑰、ド#、ファ、シです。構成音的に答えではないことがわかりました。この構成音でしたら、おそらくC#7コードの構成音でしょう。
 次に選択肢イです。⑥⑨⑯、ド、ミ♭、シ♭です。こちらも構成音的に間違いですね。おそらく、Cm7コードの構成音でしょう。
 さいごに選択肢ウですね。⑤⑦⑩、シ、ド#、ミです。こちらは構成音的には問題ありません。また根音であるド#、そしてマイナーコードと決定する4の音であるミ、11の音であるシも含まれます。8の音であるソ#は省略されていますね。よって、選択肢ウが正解です。

G♭M7

 つづきまして、G♭M7コードについてみていきましょう。鍵盤で構成音を確認しましょう。

 G♭=ソ♭からはじまる1、5、8、12のコードです。構成音はソ♭、シ♭、レ♭、ファです。構成音を確認したら、選択肢の分析です。

 選択肢アは④⑪⑫、音はシ♭、ファ、ソ♭です。こちらの選択肢、構成音は正しいですね。根音のソ♭がある。5の音であるシ♭もある。8は省略され、12のファがある。これが正しい選択肢のようです。
 選択肢イは①⑤⑫、音はソ、シ、ソ♭ですね。構成音ですでに間違いだとわかります。シは含まれているのはおかしいですものね。選択肢はおそらくGM7の構成音でしょう。
 選択肢ウは⑫⑯⑲、音はソ♭、シ♭、レ♭ですね。これは構成音的にはあまり間違いではないですが、M7コードの特徴である12の音が含まれていません。つまり、ソ♭シ♭レ♭ですと、ただのG♭コードになってしまいますので、今回の問題では不正解となります。 

Am7

 つづきまして、Am7コードについてみていきましょう。鍵盤で構成音を確認しましょう。

 A=ラからはじまる、1、4、8、11のコードでしたね。構成音は、ラ、ド、ミ、ソです。それでは選択肢をみながら答えを導き出しましょう。

 選択肢アは③⑦⑬、音はラ、ド#、ソです。これは構成音的に間違いですね。おそらくA7コードの構成音でしょう。
 選択肢イは⑥⑨⑬、音はド、ミ♭、ソです。これも構成音的におかしいですね。これはCmコードでしょう。
 選択肢ウは③⑥⑬、音はラ、ド、ソです。構成音的にはOKです、そして、根音であるラ、4の音であるド、11の音であるソも含まれています。したがって選択肢ウが正解です。

 これで答えがアウアウであるだと導き出すことができました。ひとつひとつ見ていくと時間がかかりますね。実際の問題を解く場合は、制限時間もありますので、明らかに違う選択肢を排除しながら、選択肢を絞っていくと早く解くことが出来ると思います。そのためにも練習問題をたくさん解いて慣れておくのがいいでしょう。

まとめ

 今回は、メジャーセブンスコードとマイナーセブンスコードについて学習しました。これでのこるコードはaug(オーギュメント)コードと、dim(ディミニッシュ)コードとなりました。他にもコードはありますが、保育士試験では出題されていませんのでとりあえず一段落となりそうですね。

 今回も前回と同様で、構成音が分かるようになることが最初のステップです。コードネームを言われて、ゆっくりでいいので、鍵盤を使って構成音を確認できるようにしてくださいね。それができればあとは選択肢を見て、消去法をしていくことで答えを導くことができます。諦めないでじっくりと着実に知識を定着させてくださいね。ここまでお疲れ様でした。

 楽典の本が一冊でもあると安心ですよ。筆者も高校生の頃にこの本で学習した記憶があります。また、過去問や予想問題を解くと本番でも焦らないですみますのでたくさん解いてみてください。

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