はじめに
保育士養成の学校での実習というと、保育所での実習が一般的だと思います。もちろん保育所での実習も必修のようですが、ほかの福祉施設での実習も経験しないといけないようです。私は、知的障害者の入所施設で泊まり込みの実習を経験しました。正直はじまるまでは不安しかありませんでした。もちろんはじまってからも不安の毎日でした。どう関わっていいものかもわかりませんし、職員と利用者の違いも最初はわかりませんでした(それほど溶け込んでいる職員がいたんですw)。
おおまかにどんな施設だったか
あまり具体的に説明してしまうと、施設がわかってしまうと思うので、なんとなくどんな施設での実習だったのかがわかるように説明してみようと思います。
私の実習先は、大人(18歳以上)の知的障害者が入所している施設でした。知的障害と言っていますが、発達障害(いわゆる自閉症スペクトラム)もある方がほとんどだったように思います。身体障害も同時に持っている方もいました。彼らは、起きてから寝るまで同じ施設で生活しています。たまにショートステイで18歳未満の利用者さんが利用している時もありましたが、入所として生活している方たちはみんな18歳以上でした。そして、障害の重さによって、ユニットが分かれている感じでした。学校のように1組から5組まである感じでした。そのうち一つは女性専用のクラスでした。男性の方が多く入所されているようでした。
一日の中で作業の時間がありました。具体的には、缶つぶしや農作業、洗濯ものをたたむなど、日常生活動作ができるようなものが多くあったように思います。小さめの石をトンカチで叩いて小さくするといった、よくわからないものもありましたね(笑)
1日目の目標
1日目は実習先に到着し、オリエンテーションを行ったあと、夕食の時間からクラスに入らせて頂く形でした。利用者の食事の様子を最初にみることができました。みなさん、意外にも食器を使うのが上手にできていて、とくになんとも感じなかった覚えがあります。直近わたしが働いていた放課後等デイサービスでは、食器を満足に使えず、手づかみ食べをする子も多くいましたので、それを考えると、能力が高い方が結構入所していたのかなーと思ってしまいます。
ということで、実際にわたしが書いた実習日誌の目標と考察を引用していきたいと思います。
目標
3組の様子を、ともに過ごすことによって知る
この3組とは障害の重さ的には上から3番目のクラスです。障害の重さである程度、クラス分けされている施設でしたが、個別の利用者をみると、能力が高い方もいましたから、分け方にもいろいろと工夫があるのでしょうね。利用者同士の相性というものもあるでしょうし……。
初日ですので、○○を知るといった内容の目標が無難ですね。というか、実習生は知ることで精一杯のような気がするのは私だけでしょうか? 実習後半につれて、1人の利用者に着目したような内容での目標を求められます。実際わたしはそのようにしましたが、実習という短い期間で、利用者の支援目標なども詳しく理解することもできませんし、なによりその利用者の状態の理解を進めることだけで精一杯だと思うのです。放課後等デイサービスで2年半、実際に働いている中でも、2週間で利用者の理解ができるほど簡単ではありませんでしたし……。
考察
それでは考察の引用です。保育所の時よりも短めです。短くても許してくれるように思います(笑)
初日ということもあり、どのような状態の利用者がいるか、とても不安でした。しかし、積極的に実習生に関わろうと歩み寄ってくれた利用者さんがいて、不安が少しなくなりました。話すことも少しできましたが、利用者さんの言葉や何を伝えようとしているのか、また、こちらの言葉を理解しているのかなどがわからないことがほとんどでした。夕食のあと、ソファに座っていると、それに気づいた1人の利用者さんが、隣に座ってきました。最初は何をするわけでもなく、二人で座っていましたが、利用者さんの膝に、きれいにたたまれたズボンがあったので、「きれいにたたんであるんですね」と声をかけると、かすかですが、笑顔になってくれてたように思います。その後、室内履きをすり足にしてソファに座りながら楽しんでいる様子がみられたので、わたしも同じようにすり足にして利用者さんの足に近づいていったところ、これも楽しんでくれたように思います。
保科史人の施設実習の実習日誌より
初日でとても短い時間しか関わることができませんでしたが、利用者さんの笑顔が見れたことはとても良かったです。しかし、まだどのように関わればいいのか戸惑うところもあり、不安と緊張があります。これからどのように関わっていくか、もっと関われるようにしたいと思いました。
考察から、いま、考えること
とにかく不安だったというのがわかりますね(笑) でもやっぱり不安ですよね。知的障害者の人をたくさんみることって、多分生きている中でなかったと思いますもの。電車の中とかで、たまに独り言がすごい人とか見ますけど、その人も一応言葉は獲得しているわけですから。今回実習した先には、もちろん話をすることが出来る人もいますが、日本語が上手に扱えない方のほうが多かったです。私たちは日常生活を送る上で言葉を使えないという状況に立ち会うことがほぼないと思います。貴重な経験だったと今も思います。
まとめ
とにかく、利用者さんのことを知ろうと、なにかしらの形で関わってみようという思いが強かったと思います。まずは関わってみる、これは子ども相手の時も同じですね。というより、福祉職として誰かに関わる時に、相手のことをどうにかして知ろうとすることが始まりですから、なによりも大切なことだと思います。適度な距離感というものも大切ですが、積極的にみなさんも関わってみましょうね。関わる中で面白いことがみえてくるかもしれません。わたしは実習日誌を見返してみて、やっぱり障害福祉分野は面白いんだなーと再認識することができましたよ!!!
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