保育実習理論ーー造形編~~粘土について

保育士試験

粘土とは

 まず粘土とは可塑性に優れているため、幼児の立体表現に適している材料のひとつだとのことです。筆者も実際に小麦粉粘土などは職場でよく使います。子どもたちも集中して取り組んでいます。そして、粘土には種類がたくさんあります。保育実習理論の試験での出題もありましたので、実際に問題を解きながら覚えてしまいましょう。

設問として

 平成27年度の地域限定の保育士試験の保育実習理論の問題で粘土についての設問がありました。似たような問題を作りましたので解いてみましょう。

 次の【A群】の粘土の特性や利用の説明と、【B群】の種類を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【A群】
A 成形が難しい面もありますが、安全で感触を楽しむ遊びに向いています。
B 水彩絵の具を直接混ぜられ、軽くて応用範囲が広いものも増えています。
C 放っておいても硬くなりにくい上、日常的に繰り返し使うには便利です。
D 天然の素材で、硬さの調整ができます。水分を管理することで様々な制作に応用できます。

【B群】
ア 油粘土
イ 土粘土
ウ 紙粘土・軽量樹脂粘土
エ 小麦粉粘土

(組み合わせ)   

ABCD
1
2
3
4
5

 答えは、それぞれの粘土の説明のあと、まとめのところに書いてあります。

粘土の特徴について

 答えることができたでしょうか? ここからは、それぞれの粘土の特徴についてひとつずつ見ていきます。選択肢にはない粘土があるのは、保育園などで使う可能性のある粘土です。試験で出題される可能性がないとも言えないので、覚えておくといいかもしれません。

油粘土

 油粘土には親しみのある方が多いのではないでしょうか? 幼稚園、保育園、小学校などで使った経験のある方も多いかと思います。

 特徴としては、油粘土はほかの粘土と比較して、乾燥しても硬くならないという点です。主な成分は油脂です。たしかに、自分が遊んでいた油粘土もすこし揉み込めばすぐに柔らかくなっていた印象があります。

紙粘土・樹脂粘土

 つぎは紙粘土です。下の写真の作品は筆者が学生時代に樹脂粘土で制作したものです(たぶんおじいちゃん??)。紙コップと割り箸を使って、服は布を縫ってくっつけています。コップの中にすっぽりと隠れることができて、いないないばあのような遊びもできます。

 紙粘土や樹脂粘土の特徴は、軽くて扱いやすい。乾燥すると固形化する。乾燥すると絵の具で着色出来る。といったものがあります。下の作品の樹脂粘土は、柔らかいうちに絵の具を混ぜてつくりましたが、乾いたあとに着色することも可能です。主な成分はパルプです。

土粘土

 つぎは土粘土です。下の画像も紙粘土の時とおなじく、筆者が学生時代に土粘土を使って作ったものです。タコ糸などでスーーっと切るように分割するのが楽しかった記憶があります。

 土粘土の特徴としては、形成が自由で幼児が扱いやすい。粉からだんだん水を足していくことで色々な感触が楽しめる。乾燥させて素焼き(テラコッタ)にすることができる土粘土で陶器=テラコッタと覚えるとよいでしょう。

 管理をしっかりすれば(水分を与える)長く使えるのもいいですよね。もし乾燥しきってしまったら、細かく砕いて少しずつ水分を足していくといいと教わった覚えがあります。霧吹きでシュッシュと水分を与えたのが懐かしいです。

小麦粉粘土

 みなさんお馴染みの小麦粉です。材料は小麦粉と水、少量の塩などです。身近に手に入るため、遊びやすいですよね。筆者も先日職場の放課後等デイサービスで子どもたちと楽しみました。

 小麦粉粘土の特徴は、柔らかく伸びがよい。着色を食紅などにすれば口に入れても大丈夫(乳児期など低年齢でも楽しめる)

 気をつけなければいけないのは、小麦粉アレルギーの子がいた時ですね。子どものアレルギーなどには気を配りましょうね。ある程度の年齢があれば、着色は絵の具でも問題ないと思います。

片栗粉粘土

 こちらも小麦粉と同様、とても身近な材料ですね。片栗粉にはダイラタンシーという性質があるそうで、そっと触ると液体のように振る舞い、速く触ると個体のように振舞うといったような性質だそうです。実際に試してみるのが一番ですよね。時間のあるときにやってみてくださいね。材料は片栗粉と水、ボウルくらいですので。また、乾くと粉のようになるので掃除もしやすいです。

トイレットペーパー・新聞紙粘土

 トイレットペーパーや新聞紙も粘土のようになります。特徴ではないかもしれませんが、新聞紙やトイレットペーパーで紙破きなどをして遊んだあとに、バケツなどに集めて、水を加えて揉み込むと、粘土のようになります。一度で二度楽しめるのが面白いのではないでしょうか?

まとめ

 というわけで、上記の設問の答えですね。

 Aは、成形が難しい(柔らかくのびが良い)、安全という点で小麦粉粘土のですね。
 Bは、絵の具を混ぜられ、また軽くて扱いやすいという点から、紙粘土・樹脂粘土のですね。
 Cは、日常的に使える、放っておいても硬くなりにくいという点から、油粘土のですね。
 Dは、天然の素材、水分の管理でさまざまな制作に応用できるという点から、土粘土のですね。

 したがって、正解は5のエウアイです。

 それぞれの選択肢のもっとも当てはまるものを考えると、迷っても解くことができそうですね。皆さんは正解できたでしょうか?

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