はじめに
施設実習8日目です。この日も利用者に積極的に関わるといった内容の目標にしています。とにかく関わっていかないと、利用者を知ることはできませんからね。長い時間をかけて信頼関係を構築していくことが本来は求められるのではないかと思いますが、実習生は2週間程度しか、関わることができません。この限られた期間で、利用者に対して何ができるのか、いろいろ考えてみることが大切だと思います。
施設実習8日目の目標と考察
知的障害者入所施設の実習8日目の目標と考察です
目標
利用者に積極的に働きかけ、その反応を学ぶ。
上記でも述べましたが、利用者に積極的に関わるといった内容です。ユニットのデイルームにいれば、誰かしら利用者と関わる場面が出てくると思います。なんとなくこの人気になるなーという方に着目して関わってみるのがいいと思います。何考えてるのかなー? 何が好きなのかなー? 手は繋ぐの嫌ではないかなー? などいろいろ働きかける方法はあります。その反応を見て、どのような人なのか探っていくといいでしょう。もちろん利用者が嫌だと思わない程度にですがね(^ω^)
考察
それでは考察を引用していきます。
本日は1組での実習でした。朝からNさんが近寄ってきて、手をつないだり、見つめ合ったりなどして仲を深めました。わたしが椅子に座っていると、その上に座るなどの行為がありました。Nさんは、喜んでいるように感じました。しかし、職員の方は「Nさん!」と呼びかけ、私のひざに乗ることをやめるように声をかけました。その場ではNさんは座るのをやめましたが、しばらくすると、再び膝の上に座るようになりました。私は座るNさんの背中を撫でてみたり、腿を軽く、リズムよく叩いたりなどして楽しめるようにしました。
保科史人の施設実習日誌より
保育の中では、たくさんの「甘え」というものがあるからこそ、自立できるといった考え方があり、今回のNさんの行動も、この甘えなのではないかと考え、座る行為を許してしまいました。しかし、Nさんは子どもではなく、大人ですし、特に甘えがあるから自立できるといった理論は当てはまらないのかもしれないと、職員のやめさせる方向への声掛けを通じて考えました。相手は子どもではなく、「大人」という意識を持ち、行動する必要があるのだろうと思います。ただスキンシップなどを通じて、楽しいという気持ちを持つことも大切なことだと思うので、むずかしいことですが、適度な関係、適度な甘えということを頭に置いて関わることもひとつのことなのだと考え、行動してみようと思いました。
この考察から、今、考えること
この考察にもあるとおり、甘えがあるから自立できるというのは保育の中では常識のような感じですよね。たくさん甘えるから反抗期がきて、自立していく……。実際、発達障害などがある方は、成長が遅い場合があるようです。この保育の理論や発達段階が、実際の年齢とは連動していないこともあるようです。保育の知識として、発達段階がこれくらいだから……と考えることができるのは大切なことです。遊び方を見ても、これくらいかなーと考えることもできます。私の通っていた養成校の心理学も学んだ保育士の先生がいましたが、保育士としての見立てと、心理検査のようなものでの見立ては一致すると言っていたので、保育士として利用者や子どもをしっかりと見ることができれば、その利用者や子どもの状態を正しく把握することもできるということなのではないかと思います。
今回は、私は、こういったたぐいの甘えととらえましたが、実際はどうだったのでしょうね? いまとなってはよくわかりませんが、甘えてみたいというふうに利用者が感じているのであれば、少しくらいそれに付き合ってみてもいいのかもしれませんね。指導者からのコメントでは、このNさんは大人とは言えまだ20代とのことで、親元を離れてからまだ月日も経っていないということでした。つまり、人恋しいと感じることもあるかもしれないと考察されていました。自閉的な傾向がある人の特徴として、人との距離感が不自然であることがあげられます。近すぎてしまったり、無視してしまったりといったことですね。社会的に受け入れられるコミュニケーション方法を伝えることも支援のひとつだとのことです。たしかに、社会的に受け入れられるという考えはどうしても必要なことですよね。
わたしが就職活動をしているときに見学した放課後等デイサービスでも、初対面にも関わらず、ベッタリと近づいて来る男の子がいたのを思い出しました。これは距離感としてはすこし独特な感じがしますね。そのときは、初対面だけど近くに来てくれて嬉しかったですが、社会的に見てどうなのかという視点で見ると、ふさわしくないのかもしれません。
まとめ
今回は利用者との実際のふれあいについての考察でした。何が正しいことなのかは未だにわかりませんが、社会的に受け入れられるような他者との関わり方ということを伝えるということも支援のひとつということを思い出せて、よかったです。正直、障害が重ければ重いほど、閉鎖された空間で一生を終える利用者がほとんどだと思います。人里離れたところに施設が建っていることを考えればわかりますが……。現在はインクルージョンといった考え方がありますから、街中にある施設もあるかもしれませんが、あまり街中で障害者をみることはありませんよね。せめて、彼らも普通に生活している、存在している、どう関わるのがいいのか、そういったことを社会が考えることができれば、彼らの居場所ももっと増えるのではないかと思います。ただ、そのためにも、彼ら自身も社会的に受け入れられるような行動をしなくてはいけないとも思います。なかなか難しいことです。こだわりが発動し、パニックになってしまったら、それこそ避けられてしまうように思います。結局は、我々、障害者も含めてですが、どのように生きていきたいかということが大切です。考えることはたくさんありますね。
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