はじめに
わたしがこの保育所で実習をして、一番感動したのがこの日だったと今も記憶しています。感動したというか、2月にⅠ期の実習だったのですが、保育士、担任保育士によってこんなにも子どもが過ごしやすくなるのかと思ったのがこの日の実習だったのです。わたしの保育観を作った一日とも言えるかもしれませんね(それは言いすぎかもしれませんが)
4,5歳児クラス2日目の目標と考察
4,5歳児クラス2日目の目標です。
目標
保育者の子ども一人一人に合った援助を学ぶ
目標としては、前にも見たような内容ですね。まあ、保育をしていくにあたって必ず必要な内容ですので、正直毎日この目標でもいいのではないかと思うくらいです。流石に毎日これだとなにかお小言を言われてしまいそうですが……。ただ、前日この目標が達成できなかったのでまたこれにしました、みたいなことは言えるかもしれませんね。正直毎日子どもひとりひとりに合った援助を学ぶ機会はありますからね。
考察
それでは考察を引用していきたいと思います。
昼食の時に、ひと口食べてみて「これ酸っぱいから食べられないかもしれない」と保育者に伝えた子どもがいました。保育者は「上に乗ってるソースをちょっと避けて食べよう」と提案しました。子どもは少し安心したような表情を見せ、そのまま他の子どもたちと一緒に楽しく話をしながら、食事をし始めました。なかなか食べ終わる事はありませんでしたが、保育者はその子どもが完食するまで、「あとちょっとだよ」など声をかけつつ、時間をかけて見守っていました。
保科史人の保育所実習Ⅱ期の実習日誌
反省会で食事についての話をしました。今回の子どもは、給食のメニューに嫌いなものが出ていたと言うことでした。酸っぱいからというのが大きな理由ではなく、味よりも食材のほうに好き嫌いがあったようでした。保育者はその子どもの好き嫌いを理解した上で本日のような対応をしていたのだと思います。どうにかして食べやすいようにならないのか、どうしたら完食できるだろうか、たくさんのことを考えての対応なのだと思います。実際、時間はかかっていましたが、子どもは嫌いなものを完食することができていました。好き嫌いは人それぞれ誰にでもあるものだと思います。それをきちんと言葉にして、自分の気持ちを周りに伝えることができる環境があると言う事は、子どもが安心して過ごせる環境になっていると言うことなのだと思います。一人ひとりの好みなど、その子どものことを理解して保育を行っているからこそ、この環境になっていったのだと思いました。
子どもの気持ちに寄り添った保育を行うことで、子どもが安心して自分の気持ちを表現できるようになっていくのだろうと本日の実習で学ぶことができました。
この考察から、今、考えること
この考察からは、子どもの好き嫌いの一場面としてしか捉えられないかもしれません。しかし、私は、このクラスの2月頃の状況を知っています。その頃の子どもたちは、嫌いなものがメニューにでても、何も言うことなく、我慢して、泣きながらでも食べるというような状態だったのです。その様子に、心が苦しくなっていたわたしがいました。しかし、8月になり、担任保育士は変わっており、状況ももちろん変わっていました。子どもが自ら、「酸っぱいから食べられないかもしれない」と言うことができていたのです。その光景を見て、私は涙が出そうになったのを覚えています。それほど、2月ころに我慢して給食を食べようとする子どもの姿が痛々しく、苦しいものだったのです。わたしは心の中で、『自分の気持ちちゃんと言えてる!!!!!!やばーーーーーー!!!!』となっていました。担任保育士によって、子どもが自分の気持ちを抑えることなく言えるようになるのだと確信しました。
反省会でも、現在の担任保育士はこう言っていました。「給食で嫌いなものがでたときに言えるようになったのは最近なんです」。そう、最近なのだということでした。つまりは、今までは自分の気持ちを抑えて我慢して食べるのが当たり前という環境だったのでしょうね。そしてそれと同時に、2月ころの状況も伝えてみると、「やっぱりそうだったんですね。ただ、いろいろな考え方がありますから」と言われたのを覚えています。そう、保育にはいろいろな考え方があります。何を大切にするかは保育士によって違うでしょう。わたしは、自分の気持ちを素直に表現するほうが大事だと思います。しかし、しっかりと栄養をとって欲しい、食育を推し進めたいと思っている保育者であれば、嫌いなものも黙ってたべるのを良しとするかもしれません。そればかりは実習生である自分がどうこうできる問題ではありませんね。子どもも保育者を選ぶことはできません。それにその保育が間違っているかと言われると、間違っているわけではありません。考え方が違うだけです。できることなら、保育園内では、保育のやり方などは統一されている方がいいと思いますが、なかなかそうもいかないという状況を目の当たりにした場面でもありますね(*´∀`*)
まとめ
保育所実習の中では、自分の考える保育観とはまるで違う保育をしている場面に遭遇することがあるかもしれません。それは、実習のみならず、社会人として一人の保育士として仕事をしていく中でも遭遇するかもしれません。しかし、その保育もなにかしらの意味があって行われています。もし意味がないなら、その保育士はクソです。子どもの利益にならないことを発見したら、ぜひ主任保育士や園長先生に相談してみましょう。もしそれでも解決しなければ、あなたがその保育園にとどまる意味はありません。保育所は日本中にたくさんありますから、子どもの利益が守られていない場所で心を痛める必要はありません。そこにいる子どもには申し訳ないですがね。子どもがよりよく成長できるような、幸せに過ごせるような保育をしたいですね。みなさんも子どもの最善の利益を考えて実習に臨んでみてくださいね。
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