おさらい
前回は、メジャーセブンスコードとマイナーセブンスコードについて学びました。1、5、8、12と1、4、8、11でしたね。そして今回取り組む内容で、コードとして新しく学ぶことは最後となる予定です。今のところ保育士試験で出題されているコードは、いままでの記事と今回の記事で全てとなります。
というわけで、早速コードについて学んで行きましょう。まずはaug(オーギュメント)コードについてです。
aug(オーギュメント)
オーギュメントコードは、基本の1、5、8の8の部分を半音あげて、9にしたコードです。1、5、9ということですね。具体的にCaugコードについて見ていきたいと思います。鍵盤上で構成音を確認してみましょう。
1、5、9としっかりなっていることが確認できます。音楽的に説明すると、長3度の音が重なった和音ということで、ド、ミ、ソ#、ドといった4声で捉えるようです。ドとミの関係が長3度、ミとソ#の関係が長3度、ソ#とドの関係が長3度ということです。それでは、実際にはどんな音かも聞いてみましょう。
つづいて、dim(ディミニッシュ)コードについて見ていきたいと思います。
dim(ディミニッシュ)
ディミニッシュコードは、先ほどのオーギュメントコードが長3度が重なった和音ということでしたが、こちらは短3度が重なった和音という捉え方をします。1、4、7、10ということですね。Cdimコードの構成音を実際に確認しましょう。鍵盤です。
1、4、7、10となっていることを確認できました。こちらもドとミ♭は短3度、ミ♭とソ♭も短3度、ソ♭とラも短3度となっており、短3度の音が重なったコードということがわかります。こちらも実際の音をきいておきましょう。
練習問題を解いていこうと思ったのですが、念のため転回形について確認しておきたいと思います。
オーギュメントとディミニッシュの転回形
オーギュメントコードが長3度を重ねた和音、ディミニッシュコードが短3度を重ねた和音ということでした。このコードたち、実は転回形にしてしまうと別のコードになってしまいます。考えてみれば根音をオクターブ上にしたら、その下の音との関係も長3度なわけですから、当たり前といえば当たり前です。一応鍵盤でも示してわかりやすくしてみたいと思います。Caugコードを例に考えます。
下記の画像はCaugコードの基本形ですね。
このコードの根音であるドを1オクターブ上に動かしてみましょう。
どうでしょうか? これはEaugコードですね。Caugコードの根音を転回させると、Eaugコードになってしまいます。そして、このミの音を転回させたとしても、今度はG#augコードになるだけですね。これは、ディミニッシュコードでも同じことがおきます。
つまり、保育士試験において転回形で出題されることはないということです(そもそも別のコードになってしまうので答えを導けませんね)。ある意味、このオーギュメントとディミニッシュは、出題されたら一番解きやすいコードなのかもしれません。
注意:おそらくないとは思うのですが、根音がオクターブ下へ動いた場合はそのまま同じコードですのでお気をつけください。おそらくそんなひねくれた問題は出題されないと思いますが……。
それでは、練習問題に取り組んで行きたいと思います。
練習問題
次のコードネームに当てはまる鍵盤の位置として正しい組み合わせを選びなさい
組み合わせ
Gaug | B♭dim | C#aug | Edim | |
1 | ア | イ | イ | ウ |
2 | イ | ウ | ウ | ア |
3 | ウ | ア | ア | イ |
4 | ア | ウ | イ | イ |
5 | イ | イ | ウ | ア |
まずは自力で解いてみてくださいね。今回の問題は比較的解きやすいのではないかと思います。
それではひとつずつ解説していきます。まずはGaugコードからです。
Gaug
Gaugコードの構成音を鍵盤で確認しましょう。
ソを1として1、5、9となっていますね、具体的な構成音は、ソ、シ、レ#です。
選択肢と見比べていきましょう。
選択肢アは①⑤⑨、ソ、シ、レ#です。これは構成音そのままですね。答えが選択肢アだとわかりました。
選択肢イは①⑤⑧、ソ、シ、レです。これはGコードですね。答えではありません。
選択肢ウは①④⑧、ソ、シ♭、レです。これはGmコードです。これも答えではありません。
B♭dim
つづいてはB♭dimです。鍵盤で構成音を確認していきましょう。
シ♭を1として、きちんと1、4、7となっています。ちなみに冒頭では4音構成とお伝えしましたが、保育士試験では問題として3音で提示されることしかありませんので、一番上の音は省略されています。4音構成のdimコードはdim7(ディミニッシュセブン)とも表記されることがありますが、保育士試験では出題されないでしょう。
具体的な構成音は、シ♭、レ♭、ミです。選択肢と見比べていきましょう。
選択肢アは④⑦⑪、シ♭、レ♭、ファです。これは、B♭mコードの構成音です。
選択肢イは④⑦⑩、シ♭、レ♭、ミです。これが正解ですね。
選択肢ウは④⑧⑪、シ♭、レ、ミです。これはB♭コードの構成音です。
C#aug
つづいてはC#augです。構成音を鍵盤で確認します。
ド#を1として、1、5、9です。構成音はド#、ファ、ラですね。選択肢と見比べていきましょう。
選択肢アは⑦⑩⑭、ド#、ミ、ソ#です。これはC#mコードの構成音ですので不正解です。
選択肢イは⑦⑪⑮、ド#、ファ、ラです。これが正解のようです。
選択肢ウは⑦⑪⑭、ド#、ファ、ソ#です。これはC#コードの構成音ですので不正解です。
Edim
さいごにEdimコードです。構成音を鍵盤で確認します。
ミを1として、1、4、7の構成です、具体的な音は、ミ、ソ、シ♭です。構成音がわかったら選択肢と見比べましょう。
選択肢アは⑩⑬⑰、ミ、ソ、シです。これは、E♭コードの構成音です。
選択肢イは⑩⑭⑰、ミ、ソ#、シです。これは、Eコードの構成音です。
選択肢ウは⑩⑬⑯、ミ、ソ、シ♭です。これが正解ですね。
したがいまして、正解は、アイイウの1です。
まとめ
ここまでお疲れ様でした。いままでの内容、オーギュメントコードとディミニッシュコードについて学び終えれば、保育士試験で出題されているコードの構成音を答える問題についてはバッチリだと思います。練習問題や予想問題をたくさん解いて、問題の形式に慣れるようにすることが大事だと思います。このブログでも、練習問題についての記事をまとめる予定です。ぜひ解いて、知識として定着させてください。
楽典の本が一冊でもあると安心ですよ。筆者も高校生の頃この本で学習した記憶があります。
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