【介護福祉士】特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)での実習~目標と考察の書き方22日目【実習日誌】

介護福祉士養成校

はじめに

 私は、保育士の養成校をでて、そのあと一年課程の介護福祉士になるための学科に進学し、最終的に介護福祉士国家試験を受験して、介護福祉士の資格をとりました。その中で、全部で30日間の実習を行いました。そのうち24日間は特別養護老人ホームでの実習でした。今回は、その実習の中で皆さんが迷うであろう毎日の目標と考察について、私が実際に提出したものを紹介という形で、みなさんの助けになればということでこの記事を書いています。

 19日目の日誌から、いきなり22日目の実習に飛んでいます。20日目と21日目は夜勤でした。大変申し訳ないのですが、夜勤の時の実習日誌がみつからず、見つかり次第記事にしたいと考えています。実家をかなりの時間捜索しているのですが、原本がみつからず……。今書いている記事も、スマホに保存していた画像を見て書いているので、若干見づらいです(笑) まあ、なんとはいっても、実習生のみなさんの役に立てればという思いでこれらの記事はかいていますので、なにかの役にたっていることを願います。

特別養護老人ホームでの実習22日目の目標と考察

実習22日目の目標と考察です。

目標

立案した介護計画を実施する

 もうそのままの目標ですね。24日間の実習ですから、もう22日目です。夜勤を挟んでしまうと、一気に二日分進んでしまいますから、あっという間な感じがしてしまいますね。介護計画を立てて、実施するのも実習の中で課題となることなのではないかと思います。特定の一人の利用者を相手にアセスメントし、どのように生活をしていきたいのか、たくさん想像して、計画を立案し、実施をする。この短い期間においては、結構難しいことなのではないかと感じます。わたしも、アセスメントの時間が足りない、なんというんでしょうか、物理的に一緒に過ごす時間が短すぎるというか、こんな短い期間を一緒に過ごしたところで、信頼関係を構築するので精一杯な気がするんですがね、まあ課題というか、実習ですから仕方がありません。この短い期間でも実施できることをすればいいわけです。まあそれが難しいんですけどね。

考察

 考察の引用をしていきます。

 本日はアセスメントした情報などから立てた介護計画の実施を目標に実習に臨んだ。実施の時間も充分にいただくことができたため感謝したいと思う。
 S氏を対象に計画を立てた。S 氏は子どもの頃から虫取り、若い頃は釣りに親しんでいたということもあり、その時の生き生きとした記憶が蘇り、気持ちが豊かになるのではないかと考えて、虫の本と釣りの本を持参して、対話をしながら、視覚的な情報も入れつつ、コミュニケーションを図った。『海釣りの人気魚と最新仕掛け百科』という本を見ながら話をすると「イシダイは岩場の所にいるんだよ」という話や、「イシモチはグーグーって鳴くんだよ」といった話をしてくださり、実際に本の内容を確認してみると、S氏の言うとおりであった。 また、釣った時の感触、食べた時の味、引きが強い魚の種類や、マアジは釣り方によって十匹ぐらいが一気に釣れると言ったことも教えていただいた。私は、釣りのことはあまり知らなかったので、本の助けも借りながらではあるが、S氏の体験した記憶、生々しいと言っていいのかわからないが、そういった感覚を呼び起こすことはできたのではないかと思う。また釣りにも行ってみたいが、もう歳だからと、少し寂しそうな表情もS氏はみせていた。他に、虫の本を見たときには、本人が自ら本を手に取り、「こうやってそーっと捕まえるんだよ」であるとか、セミの写真をみながら鳴き方を真似するであるとか、そういった反応も見られた。 
 計画の実施により、S氏が本当に釣りを楽しんで行っていたということが伝わってきた。世の中には、釣りのテレビ番組などもあるため、そういったものを見るのも、S氏が心から楽しめるひとつになるのではないかと思った、また、夕方に散歩にいったのであるが、そこでも多少の自然と触れ合う時間が有り、蝉の声をききながら、自然の風に当たり、「やっぱりいいなー、気持ちいい」とおっしゃっていたことが印象的であった。

保科史人の特別養護老人ホームでの実習日誌より

この考察から、いま、考えること

 今まで、あまりS氏が日誌の中には出てこなかったような気がします。出てこなかったものの、水分提供の時間などに、隣に座ってコミュニケーションを図り、アセンスメントすることはしばしば行っていました。そして、なかなかS氏の思いであるとか、本心であるとか、情報として得るのに苦労をした記憶があります。それは22日目でも同じで、まだアセスメントを継続しているような状態でした。

 今回は虫の本と海釣りの本を一緒にみるという活動を実施しました。正直これが介護なのだろうかと思ってしまう人もいるのかもしれませんね。わたしも当時は、これでいいのだろうかと悩んだものです。しかし、利用者がやりたいことを実現するということは介護ですから、これも間違った介護ではないと思います。今となっては、S氏にとって「釣り」というものが、とても大切な活動だったということがわかるのですが、この日に関しては、まだ不確かなものだったと思います。だから、虫の本も持って行って、色々とアセスメントをし続けていました。アセスメントと計画の実施を同時進行してる感じですね。

 虫の本よりは、釣りの本のほうが食い付きがよく、昔釣った時の感覚を思い出すように、ぽんぽんと言葉がでてくるS氏でした。いままで、20日程度あって、コミュニケーションを図ってきたはずなのに、20日を過ぎた頃初めて釣りというキーワードにたどり着きました。密にコミュニケーションをしていたつもりが、全くできていなかったのかもしれませんね。いや、それまでの何気ない会話や、一見関係ないようなやりとり、そういったものの積み重ねの結果得られた信頼関係があるからこそ、この釣りにたどり着いたとも言えるかもしれません。これに関しては、もう結果論というか、人と人との関わりですからね、なんとでも言いようがあります。

 この釣りの事を思い出している瞬間が、S氏にとって生き生きとした気持ちになれていたら、私の計画は成功なのかもしれません。私の実習の、大きな目標に「すこしでも生き生きとした気持ちになってもらう」というものがありましたので……。

 今でも、あの表情を少しだけ思い出すことができます。そして、夕方の散歩の情景も。車椅子を私がおしながら、蝉の鳴く声が施設の外に響いていました。夕方の少し涼しい時間。ほんの少しだけの外出。「やっぱりいいなー、きもちいい」こちらも嬉しくなるような言葉でした。

まとめ

 利用者の本心であるとか、本当にやりたいことであるとか、もちろんやりたくないこともですが、なかなか汲み取ることは難しいです。しかも、やりたいことがあったとして、それを実現できるかも怪しい。実現できるように試行錯誤する、試行錯誤しなければならないのが介護職とも言えると思います。毎日事故の無いように、安全に見守る、それももちろん大切なことです。しかし、利用者本位、利用者が望む生活を実現するように、実現できるように働きかけることができるのも介護職です。ぜひ時間をかけて、実習最終日になってもいいから、利用者の心を知る努力を忘れてはいけません。私の実習日誌はあと2日で終わってしまいます。正直、やっと釣りというキーワードがわかったのに、もう実習は終わりになってしまいます。時間が足りませんね。しかし、これからやってくるであろう、介護職としての人生の中で、こんなふうに利用者に関わり、利用者の願いを叶えるために動けばいいという学びになりましたから、みなさんも利用者に寄り添いながら、いろいろ考えを巡らせてみてほしいです。

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