【社会福祉士】低所得者に対する支援と生活保護制度①【国試対策】

低所得者への支援と生活保護制度

はじめに

 現在(2021年時点)、社会福祉士養成の1年課程の専門学校に通う筆者が、国試対策のために勉強したものをブログに書いて勉強しようというものです。せっかく勉強するんだから、いろんな人と共有したほうがいいよねという気持ちです(笑)学生ですので間違いもあるかもしれないので(記事内容のベースは授業と教科書に書いてあることになっていますが……)、間違いがあれば指摘して頂ければさらに調べて内容を正しく修正していきたいと思います。

貧困概念の変遷

 昔の話

 昔は

  • 基礎的ニーズの不足あるいは欠如
  • 社会通念的に日常的な生活資量の欠乏状態

 とされていたようです。ですが、時代や社会によって違うと捉えるのが良いようです。

貧困の概念

①絶対的貧困
②相対的貧困
③社会的排除

 概念として覚えておきたいのはこの三つです。

19世紀末のイギリスのおはなし

 19世紀末に貧困調査がされました。ブースラウントリーという人物によってです。ブースはロンドンで、ラウントリーはヨーク市です。ブースが先に調査をおこなったようで、ラウントリーはその影響を受けてヨーク市で調査をしたようです。

 ラウントリー『貧困――都市生活の研究』1901年

 ここで「第一次貧困」と「第二次貧困」という概念を提唱したようです。ブースも貧困線という概念を述べていたようですが、それを明確化したもののようです。

第一次貧困と第二次貧困

・第一次貧困とは「その収入がいかに懸命にかつ注意深く消費されても単なる肉体的能力(健康や労働力を意味する)を維持するのに必要な最小限にも満たない生活水準」

・第二次貧困とは「その収入の一部を飲食や賭博などほかの支出に向けない限り、単なる肉体的な能力を維持することのできる生活水準」

 つまり、第一次貧困線=食えるか食えないか

 カロリーやタンパク質、脂肪など栄養基準を基に貧困線を引く。
 これは絶対的貧困と呼ばれます。

第二次大戦後

 1960年代の英米で貧困解消の見方が強まったようです。経済は豊かになったものの、そこに隠れた貧困があったということです。

アメリカでは

 ハリストン『もう一つのアメリカ――アメリカの貧困』1962年

 この書物の中で、旧来の人種、老齢、スラムなどに加えて

 「技術進歩に追いつけない非熟練労働者」
 「アルコール中毒等による社会的脱落者」
 「納涼確信からはみ出す農業労働者」

 これら三つが再発見されたということです。

イギリスでは

 エーベルースミスとタウンゼント『貧困者と極貧者』1965年

 この書物の中で、「ワーキングプア」という人達がいることを再発見したようです。完全労働者の3分の1以上が貧困線以下で、加えて貧困人口の3割は児童ということを発見したようです。このワーキングプアの存在は「相対的貧困」の概念を発展させるもので、タウンゼントが発展させました。

 相対的貧困とは、衣食住といった基本的ニーズだけでなく、社会生活上の非貨幣的な次元におけるニーズも含まれます。貧困概念の拡大化・多様化が進められました。

 また、タウンゼントは相対的貧困の指標として、12の剥奪指標というものを作ったようです。それらの剥奪の延長として社会的排除が注目を集めました。

 社会的排除は、従来の生活保障施策の体系に取り込むことができない貧困・低所得問題が顕在化してきたことによります。例としては、年の周縁部に追いやられた人など。

おわりに

 今回は低所得者への支援と生活保護制度の大まかな概要的な話になりました。これから、今回出てきた内容を詳しく述べていく予定にはなっています。貧困の概念をおさらいしておくのがいいですね。ブースやラウントリーは国試の過去問にも出ていますから、要チェックですね。

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