はじめに
保育士試験の保育実習理論の中で、音楽史的な知識や美術史的な知識を問われる出題がされることがあります。単純に語呂合わせのように覚えるのも一つの手ですが、どうせなら理解を深めたり、知識を広めたりしたいと思いませんか?
これを読んでおけば試験で点数が必ずとれる、といった内容ではありませんが、西洋音楽史や美術史について、これから述べていきたいと考えています。一つの読み物として、一般教養として、用途は様々かと思いますが、ぜひご覧ください。
1回目の今回は、そもそも音楽とはどんなところから始まったのかについて見てみたいと思います。いわゆる音楽の起源についてですね。
音楽の起源
音楽の起源には様々な説があるようです。言葉だけで述べるなら、①言語起源説、②感情起源説、③恋愛起源説、④魔術起源説、⑤労働起源説、⑥信号起源説、⑦リズム衝動起源説などなど。言葉だけでも何となく想像がつく説もあれば、悩んでしまいそうな説もありますね。ただ、これらは19世紀後半になって論じられるようになったものではあるものの、実証的、科学的裏付けを有する見解は十分ではなかったようです。
20世紀になり、民族音楽学の分野から、ザックスという人物が二つの様式を提唱し、今までのものよりも有力な見解を打ち出したそうです。
ザックスの言語起源説
抑揚をつけた言葉を唱えるというもので、言語起源説的な様式です。2音や3音の上下の動きで、ほぼ水平に近い旋律を描くものです。
ザックスの感情起源説
感情をほとばしらせ、強い叫びで高い音から始まり、急降下、段階的に下がり、最低音までいくなどの旋律線を描くものだそうです。
ザックスの見解
ザックスの考えは、上記の二つの説が互いに混じり合い、洗練され、「旋律起源」的な様式に発展したというものです。
単一の起源説ではなく、複合的に音楽の形式を考えるこの見解は、今までのものよりも客観性があるものとされているようです。
まとめ
音楽の起源には、様々な説があるようですが、言語的な面、感情的な面、両者が互いに混ざり洗練されていった、いわゆる旋律起源的なものが、起源なのではないかということでした。
音楽には数学のような理知的な面もあれば、嘆きを表現するような感情的な面もあると私は考えています。これが起源だと決められるような代物ではないですよね。ご興味のある方は、音楽の起源についてもっと詳しく調べられると良いのではないかと思います。
今回やこれから参考にさせていただく文献はこちらです。音楽の面白いことがたくさん書かれていますよ。
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