社会人でも保育士になりたい!!③養成校の面接~不合格通知

保育士養成校

養成校の受験は2箇所しました

 全くの未経験から、保育士を目指そうと養成校を受験した時の記録がなにかの役にたつのではないかとこの記事を書いています。志望動機などは前回の記事に書いてありますので参考にされたい方はぜひご覧下さい。

 ちなみに志望動機は全く問題なかったと思います。ただ、1校は合格、もう1校は不合格となりました。志望動機というよりも、私の人となり?といいますか、セクシャリティが影響して不合格になったのではないかと思われます。もちろんそれだけではなかったのだと思いますが……。

不合格面接

 先程も申し上げたとおり、1校からは不合格通知が届きました。面接の内容は志望動機や子どもと実際に関わった経験といった当たり障りのないものから始まったと思います(正直言うとあんまり覚えてないです)。ただ、子どもを躾しないといけないから、優しいだけじゃつとまらないといったような話をされた覚えがあります。わたしは個人的に「躾」という言葉が好きではないので、その時点で違和感を覚えていました。そして、質問が進み、金銭的な話になりました。

 面接官「保育職は給料が低くて、家庭をもつとやっていけないよ。どういうふうに考えてるの?」
 私「んー、家庭をもつつもりはないですし、なんとかなると思います」
 面接官「そんなこといったって、いつ家庭を持つかわからないじゃない? 奥さんにも働いて貰わなきゃいけなかったりするけど大丈夫?」
 ここでわたしは、イラっとしてしまったんですね。いけませんねw まあもともとこの学校は定員の1割ほどしか男性をとらないと明言してましたから(実習先や就職先を見つけるのは男性は大変だかららしいです)、もう男性を合格させるつもりがなかったのかもしれませんね。イラッとしてしまった私は、ついセクシャリティについて喋ってしまいました。
 私「とても個人的な話になってしまうのですが、わたしはゲイですので、家庭をもつことはありません。だから子どももできないし、経済的には全く問題ありません」
 我ながらすごい発言ですよね。面接官のおじさんがきょとんとした顔をしていたのを覚えています。そのおじさんは学長さんだかなんだかで、とても古めかしい考えをもったかたなのだと思います。もうこの話をしたときに、私はこの学校には入学したくないと思っていました。もともとお給料云々で保育者になろうと思っていたわけではありませんでしたしね(今は多い方がいいと思ってますがw)。なんとなく差別的な視線を感じながら、ありがとうございましたと言って部屋を退室しました。帰り道に目に涙を抱えて警察署につるされた振り込め詐欺に気を付けようというのれんみたいなのを眺めていた記憶があります。

 面接は、なんとなく覚えている限りこんな感じだったという内容で書いています。別に普通の質問だと思います。ただ、私が感じたことは怒りのような、どこにも行き場のないような思いでした。もちろん後日郵送されてきたのは不合格通知でした。もともと入学するつもりもなくなってましたし、よかったと思った覚えがあります。

 というわけで、違う学校に入学しなくてはなりません。せわしないですねw

合格面接

 もう1校の受験も、質問内容は志望動機や子どもと実際にかかわった経験などについてでした。普通ですね。さらに、壁面を作ったりする作業があるなどで、絵をかいたり、作ったりするのは好きかといったような質問もされたような気がします。金銭面の質問はとくにされませんでした。何事もなく面接が終わったように思います。そして後日、合格通知が届きました。

 この面接ではセクシャリティについては何も言いませんでした。しかし、もし喋っていたら不合格になっていたかもしれません。それは、入学してしばらくした時のことです。音楽担当の専任教員と話をする機会があり、「前に東大卒業してから入学してきた人がいてねー……」そんな会話から始まりました。「東大なんて卒業して専門学校くるんだから、性的な異常者だったらどうしようと思いながら教えてたんだよねー……」私は唇をかんでその話を聞きました。もちろん何にも言いませんでした。その専任講師にとって『ゲイ』という存在は性的異常者でしょうから、この人に喋ったら卒業させてもらえなくなるかもしれないと思ったのです。実際にそうなるかはわかりませんが、学費を払ってしまっていましたし、下手に素性を話して卒業しにくくなってしまっては路頭に迷ってしまいます。そこで、決意をしました。卒業して資格を取得するまでは、ゲイだとは誰にも明かさないと……。同級生に「彼女いる?」といったような話をされたりもしました。彼氏がいたときは、彼女がいるということにしてました。そのほうが面倒くさくないですしね(^▽^)

まとめ

 今回は、養成校を受験し不合格になった話をしました。私のようなセクシャリティで保育士になりたいという人の絶対数はおそらく少ないでしょう。ただ、確実にいることは確かです。保育士資格を取得するという目標があるなら、学校の中にいるうちは嘘をついている方が楽だと思います。もちろんゲイだからという理由で退学になることはないのかもしれません。ただ、世の中でいう「普通の人」を演じるほうがいざこざもなく資格取得までいけるような気がします。

 このように嘘をつくことが、この社会、というと言い過ぎになってしまいますが、保育業界の中では正しいことなのかもしれません。こんな嘘がいらない業界になって欲しいと思いますが、仕事を失うわけにも行きません。まるで、笑顔のお面をつけているように笑って、心の奥底に自分の信じる保育観を元に子どもたちを保育していくことが求められるのかもしれませんね。

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