はじめに
私は、保育士の養成校をでて、そのあと一年課程の介護福祉士になるための学科に進学し、最終的に介護福祉士国家試験を受験して、介護福祉士の資格をとりました。その中で、全部で30日間の実習を行いました。そのうち24日間は特別養護老人ホームでの実習でした。今回は、その実習の中で皆さんが迷うであろう毎日の目標と考察について、私が実際に提出したものを紹介という形で、みなさんの助けになればということでこの記事を書いています。
23日目の実習です。なんだかあっという間に23日目になってしまったようにも思います。もう残り2日間ですから、普通の二年制の介護福祉科であれば、特養での実習は30日間あるのではないかと思います。一気に30日を行うのでしょうか? それはよくわかっていませんが、私の場合は、ほかのデイサービスでの実習や、訪問介護での実習を合わせて30日ということでした。特養での実習はその中でも24日間、一番長い実習でした。さて、最後の二日間頑張っていきましょう。
特別養護老人ホームでの実習23日目の目標と考察
実習23日目の目標と考察です。
目標
立案した介護計画を実施する
この日は前日の目標と全く一緒です。もう実習最終日までほんの少しですからね。実習の最終目標はとりあえず立案した介護計画を実施するということでしょうから、最終日に近いところの目標としてはこれでいいのではないかと思います。しかし、今思い返してみると、きちんと介護計画として文章にしていたのかどうか、記録が今手元にないのでよく覚えていないのですが、ちゃんと文章にしていたのか少し曖昧です。もちろん書いていたと思うのですが……。なにせ計画を立てたのが本当に当日なのではというくらい急でしたので、おそらく本や対話を通して、昔の記憶をたどるといった回想法に関しての計画だったのではないかと思います。
考察
考察の引用をしていきます。
本日も昨日に引き続き、S氏を対象として立案した計画の実施を目標として実習に臨んだ。
保科史人の特別養護老人ホームでの実習日誌より
まず、幼い頃に遊んでいたという「菖蒲園」という単語から、堀切菖蒲園なのではないかと考え、その時の記憶を思い出してもらおうとしたのであるが、画像が悪かったのか、堀切菖蒲園ではなかったのか、写真を見てもあまりいい反応は得られなかった。しかし、それとは打って変わり、先日途中まで読んでいた釣り魚の本に関しては「釣った魚のことは忘れないねー」とおっしゃりながら、魚一匹一匹のことを思い出しながら読み進めることができた。メジナという魚は一度釣るとまた釣りたくなるような面白い魚だということであった。
以前の情報収集で東京湾で釣りをしたという話をしていたため、S氏は海釣りをメインにやっていたのかと考え、海釣りの話をすることが多かったのであるが、本日コミュニケーションを図る中で、S氏から釣り仲間とよく行っていたのは川釣りだったという話を聞き、アセスメント不足を感じた。川釣りには毎週のように行っていたようなので、川魚の話の方が、より生き生きとした表情を見せてくれるのではないかと思う。
本日は介護計画について、計画を実施することで、その利用者がどのように変化するのか、例えば不穏な状況が変わったり、発言や心情が変化するなどといったことだが、そういった、これからのことも視野にいれた計画の立案と実施を試みるといいと指導を受けた。たしかに、何かしらの変化は今回実施した内容で起きうるとは思うが、立案した時点で今後のことはあまり踏まえて立案できていなかったように思う。長い期間を通しこれからを考え、生活課題の解決に近づいていかなくてはならないと学んだ。
この考察から、いま、考えること
昨日に引き続いての目標、計画の実施となりました。本を手がかりにしながら、昔の記憶を呼び起こすという、回想法を用いた計画の実施です。S氏は、東京の葛飾区出身の方でした。そこで育ったようでしたので、菖蒲園で遊んだという話も、コミュニケーションをとる中でしていました。葛飾区にある菖蒲園に堀切菖蒲園があったので、安直ですが、そこの画像をプリントアウトして、計画の実施をしてみました。しかし、全くと言っていいほどいい反応を得られなかった記憶があります。おそらく間違っていたか、大してS氏にとって大切な記憶ではなかったということなのかもしれません。たしかに、菖蒲園で何かをしたとか、思い出を深く語るような様子は以前のアセスメントの時点でも特にありませんでした。まあ、実施してみて、深い記憶や思い出などが出てくることもあるかもしれませんので、菖蒲園の画像をみることが間違いだとは言えませんね。とにかく様々なアプローチをしてみて、利用者理解に努めることが大事だと思います。
そして、「釣り」という活動についてですが、こちらは本当によく言葉がでてくる感じでした。ただ、私はここでもアセスメント不足というか、早とちりというか、そういうことをしてしまっていました。海釣りの話を前日にしていたため、海釣りをメインにやっていたのかと勘違いしていたのです。よくよく話を聞いてみると、毎週のように行っていたのは川釣りでした。持っていった本も海釣りのものでしたから、まあ海釣りに行ってなかったわけではなかったですから、話ははずみますが、本来思い出すべきは川釣りの記憶なのかなと今は思います。そちらのほうが生き生きとした感情や記憶が呼び起こされるような気がしますしね。
指導者からは、もっと長い目線で介護計画を立てて実施しなくてはいけないというような指導をされていますね。そんなこと当たり前ですが、実習生というこの短い期間でそんな長い目線での計画の実施が出来る訳ありません。実際に職員として働くようになったら、という視点なのでしょう。もちろんそのとおりであり、絶対に心に留めておかなければならないことだと思います。ただ、今回は実習生という立場ですから、そこまでその指摘に対して考える必要はないと思います。この短い期間に一生懸命利用者のことを考えて何かを実施するというだけで、とてもすごいことですし、みなさん頑張っていると思います。自信を持って計画を実施してみてください。
まとめ
23日目の実習ということもあり、実習の最終目標である、介護計画の実施についてでした。どのようにアセスメントしていくかとかは、おそらく学校から指定の用紙やアセスメントツール、そしてアセスメントの具体的な技法、そういったことは学んでいたり、持っていたりすると思います。そのツールや知識、技術に沿ってやれば、アセスメントは進むのではないかと思います。そこから、何をするのか考えるのが難しい場合がありますよね。わたしも、情報はたくさん収集したような気がしますが、正直足りていなかったり、その情報をどう生かして計画を立てるのか、なかなか難しかったように思います。ただ、私の場合、S氏の「釣り」というキーワードが分かってからは、とてもS氏のことがわかったような、そんな感覚になったように思います。S氏の表情が今までと全く違うように感じられたんです。話も弾みますし、私の顔も覚えてくれていたような感じがします。私が食堂の前の廊下を歩いていると、S氏から見られている時もあったように思いますし、明らかに意識をしているというか。関係性が少し出来上がったというか。真摯に相手に向き合い、関係を築く、とても大切なことです。みなさんも真摯に利用者に向き合って、関係性を築いていってほしいと思います。実習もあと少しという実習生のみなさんファイトなのです!!
介護の求人情報30,000件。カイゴジョブ
コメント