はじめに
私は、保育士の養成校をでて、そのあと一年課程の介護福祉士になるための学科に進学し、最終的に介護福祉士国家試験を受験して、介護福祉士の資格をとりました。その中で、全部で30日間の実習を行いました。そのうち24日間は特別養護老人ホームでの実習でした。今回は、その実習の中で皆さんが迷うであろう毎日の目標と考察について、私が実際に提出したものを紹介という形で、みなさんの助けになればということでこの記事を書いています。
本日は13日目の実習の内容です。13日目ともなってくると、毎日の目標を何にするか悩み始める時期でもあるのではないでしょうか? 正直なところ同じ目標でも問題ないと私は考えます。考察できる内容はいくらでもありますからね。職員目線で考察することもあれば、利用者目線になることもあるでしょうし、施設目線で考えること、医療職目線、はたまた相談員目線、栄養士目線、他職種が連携しなければならない現場ですから、いろいろなことを考え、学び取っていく必要があるのではないかと思います。したがって、同じ目標でも、目線を変えれば全く違うことが考えられるようになるでしょう。目標が同じでも問題ないと考えるのはこういった理由があるからです。それでは実際に私が書いた目標と考察について見ていきたいと思います。
特別養護老人ホームでの実習13日目の目標と考察
実習13日目の目標と考察です。
目標
利用者の水分摂取量や摂取の仕方などについて知る。
実習の序盤にも使えそうな目標ですね。しかし中盤でも使える目標だとも思います。利用者のことを少し理解し始めた、情報を得ることが出来た上で水分摂取について考えることは、学びが深まるのではないかと思います。今回の考察でも述べていますが、利用者個々の状態の把握が水分摂取の内容に大きく関わっているはずです。
考察
考察の引用をしていきます。
本日は利用者の水分摂取について知ることを目標に実習に臨んだ。
保科史人の特別養護老人ホームでの実習日誌より
職員によると、施設で決められた時間に決められた量以上の水分を提供するようになっているということであった。食事介助などを行う際にも、水分だけはとっていただくようにしなければ、1日に必要な水分量を摂取できなくなる恐れがあると思った。気をつけて介助を行っていく必要がある。また食事自体にも水分が含まれており、そこからでも水分の摂取は可能であるとのことであった。しかしそれでも全量を摂取いただけないこともあるため、そういった場合にはほかの水分で補うなど、臨機応変な対応も求められるようである。
トイレの回数や、おむつの状況、体調などの理由で、水分を多くとってはいけなかったり、糖分を控えなければいけなかったりする利用者もいるということである。ひとりひとりの疾病やアレルギーなどの把握まで行わなければ、利用者の負担というものが大きくなってしまいかねない。個々の利用者理解が非常に大切なのだと理解した。甘いおやつが出るとき、飲み物は無糖のものに変えるなど、利用者の疾病に合わせて細かな配慮がされることもあるということで、その利用者にあった支援がされているのだと実感した。
他に、実際に職員による水分提供の場を見学した時に、何が飲みたいのかを質問し、できるだけ本人の好む飲料の提供を試みているということが分かった。ヨーグルトや乳酸菌飲料の提供なども、家族の希望や本人の要望でされることもあるということだった。
利用者ひとりひとりの体調や嚥下の状態、好み、要望、気候なども考え、その人にあった水分摂取の仕方があるということがわかった。
この考察から、今、考えること
私が実習した特別養護老人ホームは750ミリリットルの水分提供が決められていたように思います。正直少ないなーと感じたものの、養成校の実習担当教員にも相談したところ、食事でも水分がとれるから問題ないといったような返答でした。栄養士を交えたミーティングにも参加させてもらったのですが、私の実習先の栄養士の力が弱いのか、水分をもっととれるようなような工夫をしましょうといった話をされていたのですが、あまり周りの介護職はきいていないような様子がみられました。まあ、実習ですから、こういった職種間の力関係を学ぶのもいいのではないかと今は思います。利用者本位ということを忘れてはいけないのですがね……。
おやつが甘い時に無糖の飲み物を準備するという話ですが、甘くないことが理由で怒り出す利用者もいました。私は、なんで甘くないのかということを問い詰められたこともありました。ほかの利用者は甘いもの飲んでるのにどうして私のは甘くないのかと……。糖尿病があるからと説明するのも、ほかの利用者がいる中ではおかしいですし、おやつが甘いから、すっきりした飲みのものほうがいいかなと思って……というような声かけしかできないですよね。なにかうまい説明の方法があるのでしょうか? いろいろ考えてみるのがいいですね。
この水分摂取の一場面を見ても、この方は、こういった理由でこういった声かけをうけて水分を摂取しているのだというようなことを考えることができるでしょう。職員の方へいろいろ尋ねたり、記録をみてみたりしながら、その利用者理解を進めていくと良いのではないかと思います。
まとめ
今回は水分摂取についての目標でした。水分摂取や食事の場面では考えることはたくさんあります。目標もいくらでも立てられるような気がします。食事や水分摂取は毎日行うことですからね。配慮しなければならないこともたくさんあります。食後の薬はどのように提供されているのかということもなかなか興味深いでしょうし、食前食後に何か気をつけていることはないかというのも着目するのはいいかもしれませんね。水分のトロミについての考察もいいかもしれません。甘いもの、甘くないもの、熱いもの、冷たいもの、利用者が何を好んでいるのか、この時間に飲みたくなるのか。本当に考えることがたくさんあります。水分関係で、排せつにも考察を広げることもできるでしょう。体調がすぐれない理由が水分不足、脱水ということもありますでしょうし、排便がないというのも、下剤云々の前に水分の摂取量を確認することも大切です。とにかく、考えて考えて、利用者がよりよく生活できるように支援していけたらいいですね。
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