はじめに
私は、保育士の養成校をでて、そのあと一年課程の介護福祉士になるための学科に進学し、最終的に介護福祉士国家試験を受験して、介護福祉士の資格をとりました。その中で、全部で30日間の実習を行いました。そのうち24日間は特別養護老人ホームでの実習でした。今回は、その実習の中で皆さんが迷うであろう毎日の目標と考察について、私が実際に提出したものを紹介という形で、みなさんの助けになればということでこの記事を書いています。
というわけで、なんだかんだ実習最終日となりました。ここまで来てしまうとあっという間に感じますね。もちろん長いことには長いのですが、もう時間がないので立案した介護計画を実施できるのも最終日の1日だけです。とりあえず精一杯やるしかありませんね。
特別養護老人ホームでの実習24日目の目標と考察
実習24日目の目標と考察です。
目標
介護計画の実施と利用者の目線に立った関わりを考える
最終日にふさわしい目標なのではないでしょうか。介護計画の実施はもちろんですが、介護観に関わるような内容の、利用者の目線に立った関わりについて考えるということですからね。利用者本位、なんどもこのブログではお伝えしていますが、介護職として、決して忘れてはいけないことだと私は考えています。初心忘るべからずです。わたしもときどき忘れてしまいそうになっていることがあるような気がします。毎日の仕事に追われるとそうなってしまうのかもしれませんね。しかし、その都度振り返り、介護福祉士、保育士、社会福祉士、それぞれきっかけはありましたけど、どういう思いで目指したのか、しっかりと振り返る時間があるほうがいいのではないかと思います。私にとってはこのブログがその役割を果たしてくれる一つとなっていますね(*´∀`*)
考察
考察の引用をしていきます。
本日は、先日実施したS氏の介護計画を見直したものを実施するということと、利用者の目線に立った関わり方を考えるという目標で実習に臨んだ。
保科史人の特別養護老人ホームでの実習日誌より
S氏の計画については、海釣りではなく川釣りをメインにやっていたということから、川で釣れる魚についての話をすることにした。やはり川で釣った魚のこともよく覚えているようで、釣った時の感覚まで事細かに発言があった。さらに、釣り仲間と一緒に湖で風にあたりながら酒を飲み、釣った魚を食べるという思い出があるらしく、その話をしているときはとても生き生きとした表情を見せていたと思う。釣りの話題で話をしているときは、とても楽しそうな様子なため、釣りをした体験をこちらが話すというのも、また違った刺激になり、まるで釣り仲間と楽しく釣りをしていた時のような感覚を取り戻すこともあるのではないかと思った。
利用者の目線に立った関わり方を考えるという目標については、本日、T氏のベッドから車椅子への移乗を経験させていただいたのだが、移乗した後の足の位置について、どう動いていただけば足の位置が希望通りになるのか判断できずに戸惑った。それでもT氏はあまり強くこちらに要望を仰ることなく、申し訳なさそうな表情や言葉を発していた。
T氏のように要望があっても、強くは言えない利用者も少なからずいるのだと思う。申し訳ないという気持ちが大きかったり、自分でなんとかしたいという思いだったり、それは利用者それぞれで違うと思うが、介護者は、利用者の言葉だけでなく、本当に思っているだろうことも読み取り、介護していかなくてはならないのではないかと思った。それは信頼関係から分かることかもしれないし、習慣から分かることかもしれない。いずれにせよ、利用者のことを知ることから始めなければ、的確な介護、利用者の気持ちに寄り添った介護はできないと思った。
この考察から、今、考えること
実習最終日ですが、このS氏との関わりは私の介護観を作ったと今では思っています。一生懸命、S氏のことを知ろうとして、ようやくたどりついた釣りというキーワード。本当に楽しそうにおはなしされる姿をいまでも思い出すのです。根気強く相手のことを知ろうとすることはとても大切なことです。踏み込みすぎても嫌われてしまうかもしれませんがね……。本当はもっとおはなししていたかったです。もちろん実習が早く終わって欲しいとも思っていましたが、S氏と関わる時間は、なんだか特別なものだったのです。おそらく実習生のみなさんも、対象者の方との関わりは、なにか特別な感じがするのではないかと思います。私と同じ施設で実習ししていた同級生も対象者の方はなんだか特別な信頼関係ができているように、関わっていない私が見ても思いまいした。忘れられない言葉があるんです。「こんど一緒に釣りに行こう」何気ない言葉なのかもしれません。わたしはS氏にこの言葉をかけられました。ああ、もう実習が終わってしまう。S氏の願いを叶えることはできない。それでもわたしは「はい、楽しみにしてますね」そのような言葉を伝えていたような気がします。叶うことがないことですが、それでも、私という存在がS氏にとって、すこしでも良いものであったと信じたい気持ちでいっぱいです。
利用者の目線に立った関わりを考えるという目標に対しては、移乗介助をした時に感じたことを書きました。遠慮がちな利用者にはありがちな、思っていることを伝えることに躊躇してしまうといったことですかね。相手が実習生ですからね、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう利用者も多くいるのではないかと思います。私が介助される側だったとしても、自分の体が満足に動かない状態で、重たい体を支えてくれる介助者には申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまうと思いますもの。それでも、思っていること、要望を言葉にしてくれる利用者がいたとしたら、それは信頼関係が構築出来ているということなのではないかと思います。ひたむきにというか、純粋な心でというか、相手のことを大切に思う気持ちがあれば、信頼関係は自ずと構築されていくのかなと思います。
まとめ
前半の実習日誌が見当たらず、実習11日目からの目標や考察の紹介となってしまい申し訳ありません。ただ、実習生のみなさんならわかると思いますが、実習前半の目標を考えるよりも、後半の目標を考える方が大変ですものね。ネタ切れといいますかね(´・ω・`) そんなみなさんの役に少しでも立てればいいと思っています。実習は行くのは嫌だったけど、とてもいい経験を積ませていただいたとも今では思います。みなさんもくじけずに、利用者と向き合って、少しでもいい経験ができればと思います。みなさん、ファイトです。
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